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分け合う体温

第1章 ハジメテ

パンツ持って来てって、私は母親か!

昼間たたんだ、理人のパンツを右手に持ち、私は再び脱衣所へ。

「理人、ここに置いておくよ。」

「サンキュー。」

扉越しに見る理人の裸は、均整がとれていて、とても綺麗だった。


途端に、家の前で理人とキスしていた、女の先輩を思い出した。

先輩、理人に抱かれたんだろうか。

急に、胸がぎゅうっと締め付けられた。


嫌だ。

そんなの嫌だ。

理人が理人でなくなっちゃう。


そんな時だった。

「なに?由乃?」

扉越しに、理人がこっちを向いている。

シャワーの音だけが、辺りに響いた。

「何でもない。」

ドキドキしながら、私は脱衣所を後にした。


どうして、ドキドキしてるんだろう。

理人の裸を見たから?

私は、頭を激しく横に振った。

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