扉を開けて AN
第20章 好みのタイプ
カンナちゃんに彼氏が出来た
いや、そうじゃない
翔ちゃんに彼女が出来た
翔ちゃんが誰かのものになってしまった
俺がショックを受けたのはそっちなんだ
ちょっと考えてみれば
いつかこんな日が来ることも
当然予想できたはずなのに
全くそんなことを考えてなかった俺は甘すぎる
ちょっと目が合う回数が増えたぐらいのことで
俺は何を期待してたんだろう
翔ちゃんが俺の事を好きだとでも思ってたのかな
自分の気持ちですら 真正面から向き合わず
何となく流してきた俺が
もう少しだけ踏み込んでみよう、と
数日後の翔ちゃんの誕生日に向けて
密かに計画を練っていた矢先
タイミング悪すぎだろ!と言いたくなる出来事だった
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