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ヌードモデルを温めて

第1章 ヌードモデルの疑問

構図に迷いはなく、一回でデッサンは終わった。

キャンバスには忠実な私の裸体。
嬉しいけど、恥ずかしい。

せっかくだけど、服を着せて完成としてしまうかもしれない、と画家は言った。



その夜の彼の部屋。

夕食の雑談で、「裸にしておきながらストーブ」の話題を振ったら、

「見えてもいいパンツを穿いてまで、ミニスカートでテニス」と返してきた。

そりゃ、もともと貴族の優雅なスポーツだもん、スカートでプレイしたいよ。
ミニ丈にプリーツ入りのスコートは軽く広がるから動きやすいし、最高におしゃれ。女子の憧れだよ。
フリフリのアンダースコートも可愛いじゃない。
──とはいっても、確かに純白パンティみたいなアンスコが恥ずかしくなることもあったかな。


「ねえ、『今日は寒いから服を脱ぎたくない』と言ったら、どうする?」
私を目の前にして、考えぬいたらしい彼の回答は、
──それでも脱がせる。すぐに抱きあうから温かくなるよ、だった。

この問題に正解しないと今夜はセックスしない、とまでは言ってないが、彼としては最善の回答で私の機嫌を損ねないようにしたいようだ。

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