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刑事とJK

第53章 さよなら




「嫌いになるわけねぇ…
離れたいわけねぇ…

オレだって…つらい…

お前が…大好きだ

誰よりも、1番…大好きだ…」





『痛いよ斉藤…
力、強いよ…』




「うるせぇ…」




PLLLL…

PLLLL…



『携帯…鳴ってるよ…?』





「ほっとけ…」









『ぅ…あああああぁん!!
斉藤…斉藤おぉ!!』







耳元で泣きじゃくるゆうひ






震える自分の手







「…ゆうひ…ゆうひ…」





どれだけ名前を呼んでも





何か変わるわけではない…








それでも何度も





呼び続ける







『斉藤…斉藤…
離れたくないよぉ…』





…この匂いが




この声が




この大きな手が





斉藤の全てが、大好きで



何よりも大好きで




誰よりも…愛してて…







だから…




あたしは


あたしは…












『キス…して…』





いつか…会えるなら…






『キスして…斉藤…』







あんたが1番…











行くべき道を行って欲しい…









「…」



手を握って






唇が優しく重なる













ゆっくり唇が離れると








握っていた手も




ゆっくり離れた












『…斉藤』





「…」





『…いって…らっしゃい』







ゆうひの笑顔は




きれいだった












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