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刑事とJK

第54章 新米刑事~シゲ vs コン~


シゲはイスをもうひとつ出してきて
机の、自分から反対側に置いた



「ありがとうございます」



今野は礼儀正しくお礼した




「…嘉山さんは、斉藤先輩にシゲって呼んでもらってるんですか?」



「ああ、うん」



すると今野は斉藤に言った



「先輩、おれにもあだ名付けてください」



「は?」



斉藤は一瞬迷ったが、答えた



「コン」



今野は嬉しそうな顔をした



「ありがとうございます、斉藤先輩!!」





「……」



少し不愉快だったのは、シゲ







―――――――――――







「あれ、インク無くなっちまった」



斉藤は使っていたペンを振った



「斉藤先輩、おれの使ってください!!」



コンは両手で、自分が使っていたペンを差し出した




「あ、わりぃな」



斉藤はそれを受け取った




「いえいえ、お役に立てて嬉しいっす!!」



ここで、ついつい対抗してしまうシゲ



「先輩、僕のペンの方が使いやすいっすよ!!」



グイッと斉藤の前にペンを突き出した



「いや…1本でいいって」



「じゃあ使いやすい方を使って下さい!!」



シゲはペンを置いて、自分の席に戻った






「(…使いやすい方って…)」




斉藤は紙の端にサラサラと試し書きした





「(…どっちも同じようなペンじゃねぇか…)」





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