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刑事とJK

第54章 新米刑事~シゲ vs コン~










ここで、コンが3匹、シゲも3匹探し出せて

同点になった




「くそ…」



「あと…1匹…」




もう夜の11時を回っている



二人が必死に飼い猫を探してる間に
斉藤と藤野は机に突っ伏して爆睡していた







そして






「見つけた…!!!」




と言って
猫を抱き上げたのは




シゲだった






「…」



コンはただ唖然としている






…負けた




やっぱり…おれみたいな新米は、ずっと斉藤先輩のそばにいた嘉山さんには

敵わないのか…





「負けたよ」




コンはシゲのそばまで歩いた




「おれの、完敗だ」



「何言ってるんだ」



「え?」



「捕まえた猫の数は、そっちの方が多かったんだから
…引き分けだろ?」



シゲは笑った



そんなシゲに、コンは体を震わせた




「シ…シゲ…」




「コン」




二人はお互いの健闘を讃えあい、抱き合った




「お前、いいやつだったんだな」



「あんたのガッツには、驚かされたよ」




こうしてここに、新たな友情が芽生えたのであった





―――――――――






「…あ、いけね…寝てた」



斉藤は、口の端から垂れた涎を拭いた




「あれ?
もう朝じゃねえか」




刑事科室を眺めると、昨日あれだけいた猫は一匹もいなくなっていた



「…勝負、終わったんか?」



斉藤は横で机に突っ伏す藤野を起こした




「んあ…あれ、猫がいない…」


藤野も、静まり返った刑事科室をボーッと見ていた




そこへ、シゲがどこかから帰ってきたらしく
刑事科室の扉を開けて入ってきた





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