刑事とJK
第57章 夢
『こんにちは!!』
「あ、…ゆうひさん?」
益田は、事務室の扉を開けたゆうひを見た
「就職先探しですか?(笑)」
『えーっと…
それもあるんですけど…
あの、犬は…?』
「ああ、あの子なら
飼い主が見つかりました」
益田は笑顔で答えた
『本当ですか!?』
「少し前に、届け出があって。ちゃんと飼い主に引き取られていきましたよ?」
『…』
…捨てられたわけじゃ、なかったんだね
良かったね
良かったね…
『…良かったです
本当に…』
「あらあら、ゆうひさんが泣くようなことでもないですよ?」
『だって…』
ゆうひは鼻を啜った
―――――――――――
『斉藤!!』
久しぶりに公園に行くと、ゆうひが飛びついてきた
「よ、
元気か?」
『うん!!
ねぇ、聞いて聞いて!!』
ゆうひは斉藤の手を引っ張って、ベンチに座らせた
「なんだよ、いいことでもあったのか?」
『えへへ~
実はさ、仕事見つかったよ!!』
「マジか!?
やったじゃねぇか」
斉藤は手を広げた
ゆうひはそこにハイタッチする
「で、仕事って?」
『この前行った、動物保護施設の社員!!
社員っていうか、飼育員みたいなもんだけど』
「象?」
『違う違う、犬』
二人は笑った