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刑事とJK

第59章 4つの事件



―――――――――――


そのころ藤野は、放火した犯人の後を追っていた



火をつけながら逃げ回るので、追いかけるのは簡単だったが

道を進むにつれ、藤野は心配した




「こっちは、俺の家の方向じゃないか…」




藤野は急いで真理子に電話した



…頼む、出てくれ…







《もしもし、泰輔?》



藤野は息を吐いた



…よかった




「真理子、大丈夫か?」




《なーにがよ♪
どうしたの?》




「いや、元気なら…なんでもない




――――――




真理子は不思議に思った



「何か、あったの?」




《…外を、放火犯がうろついてる…
充分注意してくれ…》




真理子はカーテンを閉めた




「平気よ、泰輔が守ってくれるでしょ♪」



《冗談とかじゃなくて…!!
本当に…》



真理子は少し驚いたが、すぐに返した



「わかったわ、
ちゃんと気をつける。
早く、帰ってきてね♪」




《ああ、じゃあまた…》




バイバイと言おうとした時、カーテンの後ろにボヤッと影が出来た



「?」



真理子は振り向いた





―――――






《ガシャーンッ

…ゴトッ》



「!!?
真理子、どうした!?」



電話の向こうから
何かが割れる音と、電話が地面に落ちた音がした




「真理子!?
真理子!!?」



必死に受話器に向かって叫ぶが、何も応答はない




「…っ」




藤野は、運転手に指示した




「スピード上げろ!!」





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