刑事とJK
第59章 4つの事件
藤野はパトカーを自分の家へ向かわせた
真理子…無事でいてくれ…
「藤野刑事、本当にこっちでいいんですか?」
「いい!!
早く…!!」
…
パトカーは藤野の家の前に止まった
勢いよくドアを開け、藤野は飛び降りた
急いで玄関へ向かうと、窓ガラスが割れていることに気づいた
嫌な予感がする
扉に手をかけると、鍵は閉まっていた
「鍵…」
ポケットをパンパンと叩く
しかし、鍵は刑事科室に置いてきたことを思い出した
「くっそ…!!」
藤野は、割れた窓から家の中に入った
床にはガラスの破片が散らばっている
同時に、鼻にくる匂いがした
「…ガソリン?」
床一面、何かの液体でびしょびしょになっていた
間違いなく、ガソリンの匂いである
「藤野刑事、これは…」
警官も窓の外へやってきた
「真理子…!!」
藤野は2階へ駆け上がった
すると、声がした
「ストーップ」
藤野は足を止めた
見ると、奥の部屋に真理子と見知らぬ男の姿があった
真理子は椅子に縛られていて、意識がない
「真理子!!」
「だから、ストップだって!!」
真理子の隣で立っている男が叫んだ
「っ…」
また、足を止めた
男がライターを片手に、真理子に近づけようとしたからだ