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刑事とJK

第59章 4つの事件



―――――――――――



コツコツという靴の音だけが、廊下に響き渡っていた



「…」



南は慎重に足を進める



階段を上がり、一階一階隈なく見ていった



ほとんど廃屋状態のビル



辺りには、埃がすき放題積もっている



また階段を上がり、奥へ突き進んだ




「あれ?
誰だよ君?」




南は驚いて声の方を振り向いた



そこには、そこそこしっかりした服を身にまとった男がいた




一見、男前に見えるその顔には
殴られたような跡があり
少しバランスが悪くなっている




「…お前こそ、誰だ?」



南は身構えた



「君は、斉藤じゃないよね?
誰だよ?」



また、逆に問われた




「俺が誰だっていいだろ?」



「良くないよー
こっちは斉藤に用があったのに…」



男は残念そうに笑った




「…飛鳥はどこだ?」



南の質問に、男は目を開いた




「飛鳥…?
君、あの子の何なの?」




「なんだって構わないだろ」




男はポンと手を叩いた



「あの子の恋人かなんかは、もしかして君なのか!!」



「だったら何だ?」




「こりゃ失敗だー
やっぱりゆうひちゃんを連れて来るべきだったなー」



「…ゆうひちゃん?
あの子を知ってるのか?」




「まあね…」




男はその場にあった古い椅子に座り込んだ




「それで、飛鳥はどこだ!?」




「言うわけないだろ?」




男はニヤッと笑った



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