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刑事とJK

第59章 4つの事件



「弥生ってのは、斉藤の先輩女刑事のことだろう?
俺は別に殺しちゃいない」



小泉は足を組んだ




「あの女が勝手に死んだんだ」




南は手が出そうになった


しかしその手を止めたのは小泉の言葉


「お前の飛鳥ちゃんが死んでもいいのか?」




小泉がちらつかせるのは爆弾の起爆スイッチと思われるリモコン



「…てめぇ…」



南はギリッと歯ぎしりした



「そうやって、すぐに暴力に走るところは
斉藤とそっくりだ。
…道理で同じ女に惚れるわけだな」




「あんな奴と一緒にすんな!!
飛鳥を返せ!!」




「きっと斉藤も同じように言うだろうよ」



小泉はまたくくっと笑う




「…どうしたら、飛鳥を返してくれる…?」




「俺は斉藤さえ死ねば満足なんだけど
金を要求しろって言われてるからなー…」



"言われてる"?


誰か、小泉に指示を出している人間がいるってことか…?




「…金はいくらだ?」



「一億」



「…払えば、飛鳥は…」



「だめだ。
斉藤が死ななきゃ返さない」



ニマっと笑う顔は、もはや人間の笑みとは言い難いものがあった



「斉藤の…死…」




「うん、
よかったら刑事さん、俺の代わりにやっちゃってよ。
飛鳥ちゃんを死なせたくないならさ」




「…」




一人を生かすために




一人を殺す…?






「…んなこと、間違ってる」





「正誤の問題じゃない
誰が生きて誰が死ぬか。
それだけだよ」




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