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刑事とJK

第60章 裏切り

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ゆうひは、斉藤に言われた通りに
ただ黙って隠れていた



部屋は真っ暗で

今が何時かもわからないが

とにかく斉藤が帰ってくるのを待った





すると、扉が開く音がした



うっかり声を出しそうになったが、留まった



「この部屋見たっけか?」

「いーや、まだだ」



聞いたことのない男の声



本能的に、悟った


逃げなくちゃ


と…




しかし、今飛び出してもどうにもならない

身動きひとつせず、息を殺した



「誰もいないだろ」

「わかんねーぞ?
いたら俺らが殺されんだろ」



男たちの足音が近づいてきた






…来ないで…






心臓が大きく鳴る





…来ないでぇ…






「…やっぱなんもねーよ」

「みたいだな、次の部屋行くか」



足音が遠ざかった




ゆうひは安心し、音を立てないよう息を吐いた



「なんちゃって」


顔を上げると目の前には、暗がりでもよくわかる

男のニヤリと笑った顔があった


『いやあああ!!!!』



男は、逃げだそうとするゆうひの体をガッと掴んだ



「子猫ちゃんみーっけ」



「女じゃねぇか、やりぃ」



ゆうひは両腕と口を押さえられた



『んーっ、んんー!!』




「気晴らしにちょっと遊ぶか」

一人がゆうひの服に手を掛けた


『んんんー!!!』



「待てよ、その前に千堂さんに見せに行った方がいいって」



「あ、そうか…」



男の手が止まった



しかし、ゆうひはそのまま連れていかれてしまった



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