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刑事とJK

第60章 裏切り



「疑問に思った者もいるだろう。
刑務所からの脱獄者、立て続けに起こる事件の共通点…」


千堂は吉川を立たせ、その肩を組んだ


「全部、こいつが情報をリークしてたんだ」



!!!



「吉川が!?」


「吉川君、どういうことだね!?」



吉川は手を震わせた


言葉は何も出ない



「助かったよ吉川ー、お前のおかげでスムーズにことが運んだよ
快く協力してくれて、どうもありがとう」


千堂はニヤッと笑う



「吉川…嘘だろ…?」



斉藤は吉川が裏切り者だと信じることが出来ない



「…」



「何とか言えよ吉川ぁ!!!」


斉藤の言葉に、吉川は顔を逸らし、ギュッと目をつぶった



「よーしよし、じゃ、今からお前の忠誠心を見せてくれよ」



千堂は吉川にナイフを握らせた



「そこの、はいつくばってる男を刺せ」



「!!?
そんな…!!」


吉川はたじろいだ



「ほら早く」



千堂は吉川の背中をドンと押す



『やめて吉川さん!!
そんなことしないでー!!』


ゆうひの声に、吉川の足が止まる
しかし、


「吉川、わかってるのか?
逆らったらどうなるか…」



という千堂の声に、また足が進む



尋常じゃない汗が吹き出てくる


吉川はナイフを握りしめた




「――っ!!」




吉川はナイフを刺した





「ぎゃあああ!!!」


!!??


悲鳴を上げたのは斉藤ではなく、押さえ付けていた男だった



「吉川!!
何してる!!?」



千堂の顔は怒りで染まっていた


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