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刑事とJK

第61章 泣いてるの?




『斉藤…聞いて…』



「…んだよ…」



ゆうひはほとんど動かない唇で話した



『あたし…斉藤と出会えて…こんなに変われたよ…?』




頭を斉藤の体にもたれさせる






『斉と…と、出会え テ …幸せだったよ…?』




「今さら…何言ってんだよ…?」




『学校で…、友達いっぱい…出来て…
楽しくって…』




ゆうひの声はどんどん小さくなっていく





「だから…何言ってんだよ…ゆうひぃ…」






ゆうひの顔に、ポタッと何かが落ちた




それを感じて
ゆうひは少しだけ口元を上げた





『斉藤…泣いてるの…?』





「泣いてねぇ…」





『フフ…
初めて見た…斉藤の、泣きガオ…』



「泣いて…ねぇ…」





ほんと、いつもの仏頂面に涙を足しただけ…



でも…



『声も、上ずっテ ル…』




「上ずってねぇ…!!」





この、しょうもない会話も



大好きだった






『…泣 キ 虫…』




ゆうひはゆっくりと手を持ち上げ
斉藤の頬を伝う涙を拾った





あたしはあんたに、いつもこうやって慰めてもらってたんだよ…?




「泣き虫じゃねぇ…!!」




次から次から、涙は溢れてくる



『じゃぁ…ひねくれ者 ?』




「ひねくれて…ねぇ…!!」





ゆうひは微笑んだ





『サ イ トォ…』




ゆうひは唇だけ動かした














ア リ ガ ト ウ














涙を拭っていたゆうひの手は、力尽きたように地面に落ちた





「…ゆう…ひ?」
















生きていてくれて




ありがとう







あたしの










最愛のヒト…













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