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刑事とJK

第61章 泣いてるの?



頭の中が真っ白になった




何が



起こったんだ?




ゆうひ



なんで



倒れてんだ?




この血は




誰の…






ゆうひ の















「うああああああああぁああー!!!!!」




斉藤はわけも分からず、男を突き飛ばし
男が持っていたナイフを取り上げた



刃先を男に向け、首もと目掛け一気に振り下ろした







『ダメ…』





か細い声に反応し、斉藤は首のすんでのところで手を止めた


男は恐怖で気を失ってしまった




斉藤は唇を噛んだ



男に向けた刃物は止まったが、刃物を持った手がそこからどこうとしない


その手は震え出す





『…コ…殺しちゃ…ダメ…』




倒れたまま、必死に顔をこっちに向けるゆうひの声と

ゆうひを刺した男への憎しみを晴らせ、と叫びつづける自分の心の声



この両方に挟まれ、斉藤は動けずにいた






『斉藤は…刑事…で シ ョ?
殺しちゃ ダメ…』





斉藤はやっと刃物を捨てた




そして倒れたゆうひの体を、座ったまま抱えた






「ゆうひ…何馬鹿やってんだよ…
なんでオレをかばったんだよ…?」




傷口からは血が止まらない


手で押さえるが、止まろうとしない





『…わかった…の』




「…え?」




ゆうひは涙で滲んだ目を斉藤に向けた





『斉藤の…いない、あたしの世界には…
なんにも…残んない カ ラ …』





「なに…言ってんだよ…
わけわかんねぇよ…」




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