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【リレー小説】ルイーダの酒場

第4章 遊び人 レミファ

「おい、あんた……」

ムトは男を睨み付けた。

「な、なんだよ……この女を庇う気か?」

目付きの悪いムトを前にして、男は少し弱気になる。

「あんたこの前、俺に盗賊の鍵を売りつけた奴だよな」

「あぁ? ああ……あの時の」

するとムトは男が座っているテーブルをガンッ!と蹴りあげた。

「なっ、何すんだよ!?」

「よくも偽物を売りつけやがったな!!」

ムトは男の胸ぐらを掴むと、首もとに短剣を突きつけた。

鋭く突き刺してくる青い瞳の視線と、今にも喉に突き刺さりそうな刃の鋭い短剣に、仮面を被ったプラマイ岩橋のような男は、顔を青くしてガクガク震えだす。

それでも男は、

「ははっ……んだよっ。騙されたテメェが悪いんだろうが。盗賊なら、本物か偽物かぐらい見分けろっての」

ムトに唾を吐きかけるように、悪態をついた。


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