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【リレー小説】ルイーダの酒場

第12章 彼女が勇者です!

「おう、なんだ威勢のいい姉ちゃんだな。この馬車が欲しいのか?」

「ああ、あんたの理由はどうでもいいからタダでくれ」

おっさんは全身でため息を吐き、馬を撫でた。

「くれてやれないことはないが、こいつは俺の言うことしか聞かない。欲しいなら、コンペイの塔にある、導きの手綱を持ってこなければ動きさえもしない。それを持ってきたらこの馬車をくれてやる」

「おい、みんな他をあたろう」

「ちょっと待てちょっと待て姉ちゃん。そこは塔にいく流れだろ」

面倒くさいことになったが、それさえ取りに行けばタダで手に入る。ムトは、わかったと受け入れた。

「よし、それなら先に武器と防具を買いに行くぞ」

それをレミファが止める。「待ってよムト、先に宿屋行こうよ」

「なにを言う、先に武器防具を金あるだけ買ってから、装備してるやつ売って宿に行くのが普通だろ」

「すみません、旅のお方たち……少しよろしいでしょうか……」

その時、顔色の悪いおじいさんが話しかけてきた。


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