トライアングルパートナー
第3章 リア・ラブゲーム店
「まあ、今田様にもプライドというものがお有りでしょうから、すぐに愛の手に飛びつくこともはばかれるでしょう。存分にお考えくださったうえで構いません。当店、明日も開いて、今田様に愛の手をいつでも差し出しておりますので、またのご来店をお待ち申し上げております」
「何を言ってるんだ、もう、二度と来るものか」
進一は出口に向かって勢いよく歩き出した。出口の自動ドアから飛び出して5メートルほど歩いて振り返った。
「なんていう店だ、こんないかがわしい営業をするなんて」
振り向いた進一がビルを見た。そのビルは何とも巨大だった。間口5メートルしかないのに、異様な高層ビルだ。屋上が霞んで見えない。
「何だぁー この高さは…… こんなのいつの間に建てたんだ? この商店街にこんな巨大な建物は建てられないはずだぞぉー」
進一は周囲を見回す。この辺一体はどこも2階建て住宅が並ぶ商業地区である。高さ制限規制があり、高くてもせいぜい5階建てが限界なはずだ。
「この街に、こんなビルが建てることができるなんて、信じられない。とてつもなく大きな組織が暗躍しているぞ。こんな建物が建てられるなんて、それも人知れず……」
役所は施主の建築計画に基づき、住民説明会を開き、建物周辺の関係者に説明会を開き、承諾を確認してから施主に対し、建築許可を発行している。街は住民の環境重視だ。とは言え、経済が潤わなければ、街の発展はないし、発展がなければ、住人は転出していく。やがて、過疎の町になる。その妥協点を図るのが住民説明会の目的だ。だから、建築基準法で決まっている高さ制限を、街の条例で5階建てを最高の高さと決めたことは周知のことだ。それが、なんと、このように、正面は間口10メートルほどのただのゲーム店が入ったビルが建っている。それも良くわからない「リア・ラブゲームアプリ販売中」という手書きの紙を堂々と貼って商売している。アとラの間にハートマークがピンクで塗られている。これは隠れて異性交流を目的とした風俗営業をしているに違いない。
「何を言ってるんだ、もう、二度と来るものか」
進一は出口に向かって勢いよく歩き出した。出口の自動ドアから飛び出して5メートルほど歩いて振り返った。
「なんていう店だ、こんないかがわしい営業をするなんて」
振り向いた進一がビルを見た。そのビルは何とも巨大だった。間口5メートルしかないのに、異様な高層ビルだ。屋上が霞んで見えない。
「何だぁー この高さは…… こんなのいつの間に建てたんだ? この商店街にこんな巨大な建物は建てられないはずだぞぉー」
進一は周囲を見回す。この辺一体はどこも2階建て住宅が並ぶ商業地区である。高さ制限規制があり、高くてもせいぜい5階建てが限界なはずだ。
「この街に、こんなビルが建てることができるなんて、信じられない。とてつもなく大きな組織が暗躍しているぞ。こんな建物が建てられるなんて、それも人知れず……」
役所は施主の建築計画に基づき、住民説明会を開き、建物周辺の関係者に説明会を開き、承諾を確認してから施主に対し、建築許可を発行している。街は住民の環境重視だ。とは言え、経済が潤わなければ、街の発展はないし、発展がなければ、住人は転出していく。やがて、過疎の町になる。その妥協点を図るのが住民説明会の目的だ。だから、建築基準法で決まっている高さ制限を、街の条例で5階建てを最高の高さと決めたことは周知のことだ。それが、なんと、このように、正面は間口10メートルほどのただのゲーム店が入ったビルが建っている。それも良くわからない「リア・ラブゲームアプリ販売中」という手書きの紙を堂々と貼って商売している。アとラの間にハートマークがピンクで塗られている。これは隠れて異性交流を目的とした風俗営業をしているに違いない。