トライアングルパートナー
第6章 対戦相手
相変わらずショーウインドウをクロスで磨くのが日課の8ピッドは、店から通りを見つめる。住宅街から歩いてきただろう中年の男性が視界に入った。
「あっ こりゃ、重症だな。迷える子羊ならぬ、大羊だよ」
彼はつぶやいて玄関ドアを見つめた。スーと自動ドアが開く音とともに先程の中年男性が立っていた。すぐに8ピッドは直感した。彼が今田進一だな、と思うと、足が彼の方へ向かっていた。彼はキョロキョロと店の中を見回している。自分がここを訪れたことを不思議に思っている様子だ。
「今田さん、迷子の迷子の大羊さんのくせして、ここへ来るのに時間が掛り過ぎですよ」 8ピッドは心中でつぶやくとにこやかな顔で進一に向かって声を掛けた。
「お客様、これは今のあなたの心の穴を埋めてくれる一品ではないかと思います」
8ピッドが声を掛けたが、進一には彼が言おうとしている意味が理解できなかったようだ。8ピッドは鼻で笑うと、進一に改めてきいた。
「何かお探しでしょうか?」
声掛けに、進一は即答した。
「別に、ただ、なんとなく入っただけだからお構いなく、あと、少しだけ見させていただいてから帰ります」
8ピッドはほくそ笑んだ。
「あたしが呼び寄せたのですよ。進一さん。それに見たい、と言ってもこの店にはあなたのほしいラブゲームしかないのですよ」
彼は、先日の小山内慶子とあなたはリア・ラブゲームをこれから始める運命なのです、とつぶやいた。
「あなた、妻がいる身でありながら、小山内慶子に夢中ですね? いいことですよ。まさにわれわれの目指す多重愛の先駆者にふさわしい方です」
8ピッドは心中でつぶやきながら、にこにこした笑みをたたえながら、進一をリア・ラブゲームの世界にハマらせることを楽しむことにした。
「あっ こりゃ、重症だな。迷える子羊ならぬ、大羊だよ」
彼はつぶやいて玄関ドアを見つめた。スーと自動ドアが開く音とともに先程の中年男性が立っていた。すぐに8ピッドは直感した。彼が今田進一だな、と思うと、足が彼の方へ向かっていた。彼はキョロキョロと店の中を見回している。自分がここを訪れたことを不思議に思っている様子だ。
「今田さん、迷子の迷子の大羊さんのくせして、ここへ来るのに時間が掛り過ぎですよ」 8ピッドは心中でつぶやくとにこやかな顔で進一に向かって声を掛けた。
「お客様、これは今のあなたの心の穴を埋めてくれる一品ではないかと思います」
8ピッドが声を掛けたが、進一には彼が言おうとしている意味が理解できなかったようだ。8ピッドは鼻で笑うと、進一に改めてきいた。
「何かお探しでしょうか?」
声掛けに、進一は即答した。
「別に、ただ、なんとなく入っただけだからお構いなく、あと、少しだけ見させていただいてから帰ります」
8ピッドはほくそ笑んだ。
「あたしが呼び寄せたのですよ。進一さん。それに見たい、と言ってもこの店にはあなたのほしいラブゲームしかないのですよ」
彼は、先日の小山内慶子とあなたはリア・ラブゲームをこれから始める運命なのです、とつぶやいた。
「あなた、妻がいる身でありながら、小山内慶子に夢中ですね? いいことですよ。まさにわれわれの目指す多重愛の先駆者にふさわしい方です」
8ピッドは心中でつぶやきながら、にこにこした笑みをたたえながら、進一をリア・ラブゲームの世界にハマらせることを楽しむことにした。