ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第7章 【譲れないもの】
読者の反応は様々だったがランキングはうなぎ登りだ。
完結させてから半日ほどで1位に躍り出た。
他の作品も続々と完結させてきて切磋琢磨する。
ドラマ脚本家の湯川 慎一さんが直接電話を鍵山さんの携帯にかけてきて初めてコンタクトを取った。
で、その第一声に私は固まる。
__やだぁ!最終話見たわよ!感動しちゃった!あんた本当に工作ちゃんが見込んだだけあるわぁ、ありがとうね、この世界観壊さないよう忠実に私も描きあげるわね!
宣材写真では見たことがあったが、普通に見た目はダンディなオジサマだっただけに、まさかのおネエ言葉使ってきた事に本当に同一人物かと疑うほど頭の中が真っ白になった。
「あ、言うの忘れてたな、湯川さんってゴリゴリのおネエだから」
唖然としちゃってお礼もろくに言えたもんじゃない。
どうしよう、第一印象最悪だったかも。
「大丈夫、大抵の人が初対面はそうだから」ってフォローしてくださいよ、鍵山さん。
柊ミコト先生もメッセージ送ってきてくれて(とにかくケイコが格好良かった)だなんて最高の褒め言葉頂けてホッとした。
ノミネートされたからにはテッペン獲りたい。
でも厳選なる結果、獲れてなくてもここまで命を吹き込んだ作品があっただろうか。
読者の生々しい感想やレビューも続々と届いている。
「わぁ、viewsが凄い事になってますね、5桁いきますよ」
「続編希望コメントが大半占めてるってヤバいですね」
「続編は考えてないんだよね、もうこれ以上は読み手で各々描いてって欲しいな」
「そのつもりで描いたんだろ?」
「まぁね」
「見てりゃわかる、出し切ったなコイツって」
「そりゃ獲りたいですから」
「ささ、タカラアキ先生、次のネームお見せくださいませ」
「プッ……なにその言い方」
「何でも良いから見せて、俺、今こう見えてケイコレスしてんだよ」
「アハハ!漫画家冥利に尽きますね〜それ」
「わかります!」って2人も声合わせてくれる。
有り難いことだけど、身内にそう言われると本当擽ったいね。