ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第8章 【栄光の座】
「鍵山さんの事?うん、好意は寄せられてるけどちゃんとお断りしてる、章介と同様、もう誰のモノにもならないので」
「何だよ、1人だけカッケーな」
胸に顔をギュッと抱き寄せる。
「ごめんね、こんな女で」
「バーカ、俺だって暇じゃねぇんだぞ…」
「うん……夜中にも散々呼び出してごめん」
「良いんだよ、アレは俺も限界だったから…」
「何でこんな私に振り回されてんの?」
そう言うと顔を上げてきて真っ直ぐな瞳に捕まった。
「惚れてんだよ、すげぇムカつくけど俺、悠じゃなきゃダメになるんだ」
「そっか……じゃ、時々だけどこうして愛してあげる」
「ん………やっと息出来るわ、助けてよ悠……俺、お前居ないと死にそうだよ」
優しく唇を押し付けてこじ開けた。
息を吹き込むように絡ませる。
元の夫婦には戻れないけど、今の気持ちに嘘はないの。
愛して欲しいなんて痴がましい事は言わない。
受け入れてあげる事は出来るよ。
ただ、それだけ。