ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第2章 【それぞれの葛藤】
しがらみひとつで男女間は縺れる。
それが煩わしかった。
仕事関係の人間なら尚更。
濡れた髪の2人。
今にも泣きそうな私の瞳は溢れるのが先か、優しい手で拭われるのが先か。
「私、鍵山さんの事嫌いになりました」
「それは残念だな」
「二度とこんな事しないで」
「こんな事って……確かに浴室は燃えるけど適した場所じゃないね」
「もう私を抱かないでって言ってるんです」
「今どんな顔で言ってるかわかってる?好きで堪らないのに強がってる悠の顔くらいお見通しだよ?何年担当してると思ってんだよ、そんな脆いからほっとけねぇんだろ」
無理やりにでも抜いて面と向かった。
「ちゃんと描くから……良い作品描いて世に出せば文句ないでしょ?それだけの関係で居させてよ…」
「お前はそれで満足か?じゃ、この涙は何?本気で嫌がってるようには見えないけどな」
拭いながら「泣いてない」は流石に通らないとわかっていたけど、両手を取られ頭の上でクロスさせられた。
「無意識か?その顔、煽ってんだろ」
「煽ってな…っ」
言わさないように塞がれた。
鍵山さんの舌は瞬時に私を惑わせる。
まるでドラッグのようだ。
固いままのペニスが再び素股する。
片脚上げられて「ダメ…」と口で言うのにオマンコはヌルリと受け入れる。
静かな浴室に自分の喘ぎ声が響いてる。
「素直になれよ、悠」
イキそうになって首を振ったら手を離してくれて肩に着く。
「お前、今、俺に抱かれてんだよ」
「んんっ……はんっ……ふっ……」
「俺もイって良い?ちゃんと外に出すけど俺は悠と最後までセックスしたい」
ズルい……私に選ばせるなんて。
鼻の頭がくっついて……でもキスしない。
最後の選択は私に委ねてる。
「嫌ならこのまま一人でシコって出すよ」
それもまた見てみたい気はしたけど。
自然と見つめ合って互いを摸ってる。
キスしそうでしない距離。
肩に置いてる手、抗えず伸ばしてしまう。
自分から抱きついて耳元で観念しちゃうの。
「最後まで…………シて」
顔見ないで………