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妄りな昼下がり(仮)

第4章 雅人 時々 精神科医

雪の住む地域も桜の花が満開になった。行楽日和の暖かさが続き、雪と成の住む家の前の公園も、親子やカップルがレジャーシートを引いて、連日宴をし賑わっている。春らんまん、誰しもが希望に満ち溢れているはずだった。
しかし、雪の方はというと週4日勤務していたパートの契約は更新されず、生活費の方は成に全額負担して貰うという、おんぶに抱っこの怠惰な日々を過ごしている。
何故か不眠まで誘発してしまい、寝れない日々が続いた。
そんな時、雅人と出会った。雪より一回り以上、歳が離れていて、雅人はシェフをしていた。雅人の営む店は夜から営業するので、昼の仕込みの時間に2人は逢瀬を重ねるようになった。

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