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妄りな昼下がり(仮)

第6章 混ぜたら危険。成vs達也。

打ちつける雨が、地面に転がっている、砂利や、犬の糞や、散った葉を綺麗に洗おうとする。
達也と初めて車でドライブした時も土砂降りだった事を思い出す、あの時、達也は自身の話しを雪にしてくれた。

「俺は幼い頃、両親に殴られて育ったんだよ。」

そんな事を言っていた、両親から愛された事無いんだよ。って、だから根底には寂しいって気持ちがあって、セックスをして愛を確かめてるんじゃないかな?自分の身体を求められるのって究極の愛なんじゃないかと雪は思う。例え、それがかりそめだとしても?じゃあ、雪は何の為に毎日男を探してセックスをするのだろう?
寂しい、紛らわせたい、ただの快楽主義者、繋がっている瞬間は嫌な事忘れられる、する前に男達が肯定してくれる、他は何?
擦り切れた陰部が、寂しい、寂しいと泣いていた。
透けたパンティを今日は履いているので恥部が、すうすうする。

雪の思考も何もかもが、雨に洗い流されていった。雨以外の音が入ってこないので、物事を考えるにはピッタリな梅雨時期が雪は好きだ。雲を見ると灰色を帯びていて、僅か向こうに水色が広がっている。
もうすぐ、雨が上がる。

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