幼なじみとSEX×5 〜ダメだとわかりながら抗えないカラダ〜
第4章 【Chapter4/抑えきれない欲情】
何の滞りもなく京ちゃんは福岡へ出張に行った。
電話では普通に話せたと思う。
他愛もない会話だったけどどこか心の距離を感じていた。
それでも「帰ったら一番に会いに行くね」と言われ申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
京ちゃんが好き。
それは今も変わらない。
心はそう言い切れるのに、いつの間にか身体は心と切り離されている。
上手く説明出来ないけど、真逆の方へ進もうとする。
その域に入っちゃったら私は………抗えなくなる。
「ねぇ、そこの暗い顔したお姉さん、僕のカットモデルになってもらえませんか?」
歩幅を合わせて隣に来た若そうな男の人にいきなり声を掛けられた。
この手のナンパは100%無視に限る。
真っ直ぐ前だけを見て歩いていると
「無視しないで〜」と結構しつこい。
駅までついてきたらどうしよう。
電話かけるフリでもしようか。
「お願いします、可愛く仕上げるんでカットモデルなってください」
この人、本当に美容師か?
目の前に立たれて頭下げられる。
黒のパーカーにキャップ帽の上からフード被ってていかにも怪しい感じ。
「あの、急いでるんで他当たってください」
「20分……いや、15分でも良いのでお時間ください」
15分で何が出来る!?
新たな詐欺にまで巻き込まれるのか。
「あの、コレ……僕の名刺です」と腰を90度に曲げて差し出される。
人の目も気にせず変な人に捕まってしまった、とことんツイてない。
「あ……はぁ、じゃ、名刺だけ頂いておきますね………え?金友……遼一って、え?え?遼ちゃん!?」
同姓同名?な訳ないよね。
肩を揺らして顔を上げたその人はお腹を抱えて笑ってる。
あ………やっぱり遼ちゃんだ。
最初から無視してたからわかんなかった。
フードもキャップ帽も脱いでくれて髪型直したらいつもの格好良い遼ちゃんになった。
「紘子、全然こっち見ないから焦るわ」
「だって、ナンパかと思って」
「うんうん、やり方間違えた、本物のナンパなら今の対応は合ってる、けど名刺も受け取るなよ、完全無視でOKな」
「ていうかどうしたの?こんな場所で」
「駅の西口の方なんだけどさ、新しくサロンがオープンしてその客引きかな」