
ほしとたいようの診察室
第2章 遠い記憶と健康診断
次に目を開けた時は、ベッドに横になっていた。
左腕には絆創膏。
……採血は終わったらしい。
「目、覚ましたか? 久しぶりだな、のんちゃん」
「……ゆ、優先生……?!」
慌てて起き上がろうとすると、優先生がわたしの肩に手を添えて、ゆっくりと支えた。
「いきなり起きるとふらつくぞ」
その大きい手も、体温も、何もかも懐かしくて、不覚にもほっとしてしまいそうだった。
「……覚えてたか。さっきまで陽太先生もいたんだが、呼ばれて出ていった」
優先生は少し笑いながら、そう言った。
「陽太先生も……!」
ばったり倒れて寝顔を見られただけなんて、恥ずかしくて頬が赤くなる。
