
ほしとたいようの診察室
第2章 遠い記憶と健康診断
「のんちゃんの病気は、再発すると治るまで時間がかかる。自覚症状も出にくいから、進行してから気づいたときには、相当、体が無理してることになる、わかるな?」
「……うう……すみません……」
「今回は、さっき採った血液を病気を調べる方にも回す。1週間後、内科にかかること。いいね?」
「……内科に通うってこと……?」
「検査結果による。治療が必要だったら通ってもらう。ここで勤めるからには、のんちゃんの体を気にかける人がたくさんいるから安心しろ」
それは確かにそうだ。
吹田先生に蒼音くん、叶恵さん。
優先生と、さっきまでは、陽太先生まで来ていたのだ。
「まぁ、容易には逃げられんがな」
優先生の目の奥がしっかりと光る。
「……! な、なんか、こわい……」
採血だって逃げられなかったのだ。
ぶるる、と身震いすると、優先生が笑う。
