
ほしとたいようの診察室
第3章 お仕事&お仕事
今日が、食堂で働く初日。
わたしの倉野さんは、支給された制服を身につけて、とりあえず厨房に顔を出す。
朝礼はこれからで、今日はオリエンテーション(という名のもはや即戦力として厨房に駆り出されるんだけれど)だった。
大河さんの前に並んだ職員は、坂井さんとバイトさんが2人。それから倉野さんとわたし。
「いやー、ごめんねぇ。うちの職場は人手不足で」
大河さんが言いながら、ゆるっと朝礼が始まる。
「今日から新人で入ってきた子が2人ね。名前はーー」
「倉野小夜です、よろしくお願いします」
迷いなくあいさつをした倉野さんに、戸惑いながら続く。
「ほ、星川のぞみです…」
ぺこり、とぎこちなく頭を下げる。
「そういうことだからねぇ、みんな頑張ろう」
食堂では、職員や一般の方向けにランチの提供をする。
昼の提供時間が終わった後は、病棟の方の厨房に移って、今度は入院患者さんに提供する夕食つくりのお手伝いをする。
1日はそんな感じで終わるらしい。
「入ったばっかりで覚えることたくさんだろうけれど、ゆっくりでいいからね!」
大河さんは、わたしと倉野さんににっこりと微笑んだ。
