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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く

……


翌日。病室の窓から差し込む光は柔らかく、晴れていた。だけれど、気持ちはどんよりしている。
繋がれた点滴を見つめながら、ベッドに横になっていた。

……不安で眠れなかった。目を瞑っては寝返りを打ち、自分の左手に繋がれた点滴を意識せざるを得なくて。
これが、一晩中続いた。うとうとと意識を飛ばしたのは数時間だったか、数十分だったか……定かではない。


今日から、またホルモン剤が増える。


ポタ、ポタ、と規則正しく落ちる点滴。その一滴が自分の体に染み込んで、自分の体の見えないところを変えていく。
一滴一滴と、もどかしく落ちる薬を眺めていたら嫌気がさしてきた。寝返りを打つと、ちょうど朝食の時間になったようだった。




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