ほしとたいようの診察室
第8章 入院生活は続く
「わかっていると思うけど、何かしら食べることは大事だから。ご飯が無理だったら、栄養補助食を半分だけ食べるでも大丈夫。体力つけて、治療に耐えられる体をつくっていこうね」
そういうと、高カロリープリンの蓋を開けた。
「食べてみな。黒蜜きなこ味だって。のんちゃん好きだと思うけど」
「……ありがとうございます」
わたしは、スプーンを手に取った。
「ん。じゃあまた。とりあえず、午前中の大海先生の診察、忘れずにね」
吹田先生は、それを見届けると颯爽と病室を去っていった。
きなこ味、意外と美味しいかも……そんなことを思うと少しだけ気分が逸れて、心が軽くなった気がした。
……
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