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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く

……


小児科病棟は明るい。

壁にかわいい動物やキャラクターの絵が貼ってあって、入って中央にはプレイルームがある。
プレイルームにはすでに、カラフルなおもちゃがたくさん転がっていて、賑やかに笑ったり泣いたりする子どもの声が溢れている。

パジャマ姿の子どもが、走り回って看護師さんに怒られている。折り紙で作った何かを持ってにこにこと笑っている子どもがいる。

この場所に懐かしさはずっと感じていたのに、働いてから来ることはなかった。単純に、大人になって用がなくなってしまったから。
病院なのに明るいその場所は、病気をしているはずの自分にとって、なんだか場違いのように感じた。


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