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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く



「発熱が気になって、採血してみたらこれだから……」


今朝ののんちゃんの状態を思い出して胸が痛む。発熱と咳や嘔吐の苦しさで、パジャマを脱ぎ捨てていた姿が、彼女の限界を物語っている。


「炎症反応か……」


優先生が難しい顔で腕を組む。優先生と陽太先生も病状を把握してもらっているのは、言うまでもなく、のんちゃんのメンタルケアのためである。


「それで、加えて」


「喘息も?」


陽太先生も、思わしくない顔である。


「うん。血液凝固症と喘息の相性は最悪。喘息で酸素が足りないところに、体中に酸素を運ぶはずの血が流れが遅いから」


「それで、チアノーゼですか」


大海先生がカルテを見ながら呟く。




頷きながら、血液検査の結果をもう一度見つめる。

何度見つめても、検査結果が変わることがない。


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