ほしとたいようの診察室
第8章 入院生活は続く
……
side:陽太
「のんちゃんにいちばん必要なの、なんだかわかる?」
答えに詰まった俺に考える暇も与えずに吹田先生は答え合わせを急くように言った。正確には、先生を脱いだ吹ちゃんだったけれども。
「『陽太先生』、だよ」
どういうことか、訊ねるほど野暮じゃない。
返す言葉を見つけることができずに、手に持ったお猪口を弄んでから酒をひとくち、口に含む。
オーダーしていたのは吹ちゃんのセンスで、辛口の日本酒だった。すっと透るような口当たりなのに、やけに喉が焼ける気がした。
例によって、吹田先生と居酒屋に飲みにきたのは宿直明けの日だった。
保っていた正気を解かれそうになって、ほとほと焦る。
side:陽太
「のんちゃんにいちばん必要なの、なんだかわかる?」
答えに詰まった俺に考える暇も与えずに吹田先生は答え合わせを急くように言った。正確には、先生を脱いだ吹ちゃんだったけれども。
「『陽太先生』、だよ」
どういうことか、訊ねるほど野暮じゃない。
返す言葉を見つけることができずに、手に持ったお猪口を弄んでから酒をひとくち、口に含む。
オーダーしていたのは吹ちゃんのセンスで、辛口の日本酒だった。すっと透るような口当たりなのに、やけに喉が焼ける気がした。
例によって、吹田先生と居酒屋に飲みにきたのは宿直明けの日だった。
保っていた正気を解かれそうになって、ほとほと焦る。
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