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ほしとたいようの診察室

第4章 心と身体


「あれはほんとに参ったよ。脱走する子なんて……うーん、だいぶ小児科で診てるけど、なかなかいないよね」


「すみません……」


謝ると、陽太先生は笑いながら首を振った。

「もう時効だよ」と。




よく覚えていないこともあるけれど、吹田先生に捕まって電話されたことは覚えている。


「吹田先生からは……いつでも逃げられませんね」


「そうだね」


ひとしきり笑ってから、陽太先生はわたしを見た。



とてもとても、優しい目をしていた。



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