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ほしとたいようの診察室

第4章 心と身体


side:のぞみ



月明かりでできた影を踏みながら、陽太先生と夜道を歩く。


「あの、陽太先生」


「ん?」


ぼんやりと、昔のことを思い出していた。
こっそり、病室を抜け出したあの日のこと。


たしか……あの時も。



「わたし、また、吹田先生に捕まっちゃったなぁって、思い出しました」


「……もしかして、小児科病棟の脱走事件?」


「……うん」


「いや、俺も同じこと思い出してた」


堪えきれずに笑う陽太先生。
陽太先生の方は、はっきりと覚えているらしい。


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