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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 200 感慨深い思い

「あっ、また…」
 ノンは唇をスッと離し、またズキズキと脈打ち始めてきた私の愛情の象徴である怒張の勃起に気付き、そう囁きながら優しく握ってきたのである。

「すごぉい、またこんなに硬くなってきた…」
 そしてその脈打ちに表れる様に私自身の心もまた、再び、昂ぶってきたのだ。

 もっと、もっとノンを愛したい…

 もっと、もっと感じさせてあげたい…
 
 私は強く抱き締め、唇を寄せていく。



 ブー、ブー、ブー、ブー…

「あ……」

 すると、ノンの携帯電話が着信する。

 時刻は午後9時半であった…

「ああ、もお…」
 と、ノンはスッとカラダを私から離し、携帯電話のディスプレイを見ると、やや不機嫌そうに呟いたのだ。

「アイツよ、彼氏から…」
 そう言った。

 ブー、ブー、ブー、ブー…
 まだ着信のバイブが響いている。

「出れば、構わないよ」
 私はそう言いながら、気を利かす意味でトイレに立った、すると仕方ない感じでノンは電話に出たようであった。

「もぉ、今、お友達と会ってるって言ったわよねぇ」
 すると後ろからそんな声が聞こえてきたのだ。

 ははぁ、例の若い彼氏からかぁ…
 私はトイレに入りながらそう思う。

 そして用を済まして寝室に戻ろうとするとまだ話し声が聞こえてくる。
 仕方なしにリビングからキッチンへと入らせてもらい、何か飲み物を拝借しようと冷蔵庫を開ける、すると中には子供中心のヨーグルト等や、ジュースの類い、そして食料品がギッシリと入っていたのである。

 ああ、そうか、ノンはすっかり母親だもんなぁ…
 
 あのノンがなぁ…

 そんな思いを浮かべていると、ふと思ったのだ。

 そうだよなぁ、もし、自分も離婚していなければ子供の一人くらいは、今頃はいたのかもしれないなぁ…
 そんな感傷的な思いが湧いてきていた。

 3年前に離婚して、遡ること約2年位はほぼセックスレスだったのだ、それがなければ今頃は3、4歳の子供が居ても不思議ではないはずだ…
 私は珍しくそんな感慨深い思いを浮かべながら、冷蔵庫からミネラルウォーターを拝借する。

「ふうぅぅ…」
 冷たい水を飲むと、昂ぶりは醒めてしまった。

 そしてさっきまでまた興奮し、昂ぶり、脈打っていた怒張はすっかりアタマを下げて大人しくうなだれていた。
 


 

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