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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 225 必然の再会

「もう、こっぺに会いたくなっちゃって…
 ううん、会いたくて仕方なくなっちゃってさぁ…」

 私はそんな話しをしてくる彼女にドキドキしてきていた…

「だからさぁ、お盆と云わず、GWの大型連休、年末年始と、必ず一度はまさくんのお店に顔を出していたのよ…」
 きよっぺは少し高揚気味な顔色になっていた、多分、話しながら少し恥ずかしくなっていたのであろう。

「そ、そうなんだ…」

「うん、そうなの…
 で、ようやく再会できたの…」

『いやぁ、運命の再会の瞬間を見た感じがするなぁ…』
 三日前に、まさやんがそう言っていた言葉が脳裏に浮かぶ。

 そうか、まさやんは、なんとなくきよっぺのそんな思いを感じ取っていての、あの言葉だったんだ…

「通い始めてから、3年越しね…」
 そしてきよっぺは、はにかみ笑いを浮かべて呟いてくる。

「え、あ、うん、3年振りの帰省だからね」

 すると、もしかしたら去年の暮れに再会していたかもしれなかったのか…
 実は、本来ならば昨年の暮れに帰省するつもりであったのだが、ゆかりに誘われて帰省しなかったのであった。

「もおさぁ、せめて1年に1度くらいの割で帰ってきてたらさぁ、もっと早く再会していたかもしれなかったのにぃ…」

「あ、うん…」
 私は苦笑いを浮かべる。

 そうか、この再会は偶然ではなく、必然であったのか…

 いや、きよっぺに引っ張られた様なモノなのか…

 運命…ではなくて、執念、いや、情愛なんだ。

「でも…
 こうして会えたし、こうなれたし…」
 そう囁きながら見つめてくる。
 そしてその見つめてくる大きな瞳は、また、再び、濡れていた。

 その濡れた瞳からは、間違いなく
『愛、愛情』という色が感じられてくる…

 この『愛、愛情』の瞳…

 きよっぺの優秀さ…

 そして『CFP』という希少価値の資格…

 この先、間違いなく、何かが起こる…

 今はまだ小さな渦であるが、その内に、少しずつ大きな渦となって飲み込まれてしまうかもしれない…
 なんとなく、そんな感じがしていた。



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