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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 245 刺激されるオスの欲望
 
 きっと自分に自信のある、いや、出来る女は群れたがらないのかもしれないなぁ…
 この律子や、ゆかりの普段からの行動力を想い返してみるとそう思われるのだ。
 
「あぁ、じゃあさぁ…
 わたしがりっこさんをグランドホテルまで送って行ってあげるからさぁ…
 とりあえずこうちゃんは子供達を送って行きなよぉ…」
 どうやらノンにはこんな私と律子の会話は聞こなかったようで、そう明るく言ってきた。

 そして午後4時…
 私達は、とりあえずプールで解散する。
 ノンは自分の息子と律子を、そして私は甥っ子と姪っ子とその友達を実家まで送って行く。

「じゃあ、お姉ちゃんバイバーイ」
 帰り際、甥っ子達は元気に律子に手を振った。

「またねぇ…」
 すると律子も、明るく、満面の笑顔で手を振り返す、そしてその笑顔は本当に楽しそうな笑顔であったのだ。

 ホント、律子のあんな笑顔は初めて見るなぁ…
 本当に今日の律子の様子やその笑顔は、初めて見る姿であった。

 そして…
『なんかぁ、ママになったみたい…』
 というさっきのプールでの彼女の呟きが、何故か脳裏から離れない。

 また、ノンにより明らかになった元モデルという過去の事実…
 それはまた新たな律子の一面であり、私にとっては秘密ではない秘密であったのだ。
 
 本当にいつも律子には驚かされるなぁ…
 そして魅了もされる…

 これでは『律子の七不思議…』という私の中にある想いが七つというカウントでは収まりきずに、八つ、九つ、等々…
 と、これからどんどんと増えていきそうな感じがしてきていた。

 それに…

 今夜、ホテルを取ってあるというその事実が…
 私の中のオスの欲望、本能を刺激し始めてきていたのである。
 そしてさっき律子に日焼け止めローションを塗りながら感じた昂ぶりがウズウズと静かに疼き始めてきてもいたのだ。

 だが、それにはクリアしなければいけない問題が沢山あった…

 
 なぜならば今日は8月14日…

 この帰省の当初の予定では、明日の15日の遅くとも夕方には東京に戻る、いや、戻ってそのままゆかりとお盆休みの残りの数日間を過ごすつもりでいたのである。

 しかし今夜、そのオスの本能の欲望のままに律子と過ごすという事は必然なのだ…





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