
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
44 似ている二人
そしてこれを見事に成功させれば、それは全てわたしと大原本部長の二人の実績向上の積み重ねになる訳であり、この先の更なるステップアップの礎になる事は必至なのであった。
「よし、じゃあ杉山くん行こうか」
「はい、お願いします」
杉山くんは明るく、ハキハキとした返事をしてくる。
そしてこの「新規業務案件」は、この先のわたしにとっての大切な礎的になる筈でもあるのだが、なによりこの杉山くんにとっての、また営業マンとしての、いや、サラリーマンとしての、大きなステップになる筈なのだから。
タクシーに乗り、赤坂のテレビ局へと向かう…
「そうだ、杉山くんは連休の予定は無いの?」
わたしはタクシーに乗るなりそう訊いた。
「え、あ、無いっす」
「ええ、何も無いの?」
そう訊き返す。
「あ、はい…
周りの友達はみんな彼女持ちなんで、こんな大型連休は誰も俺なんかとは遊んでくれないんです」
と、やや自虐的に言ってきたのである。
「そうかぁ、彼女持ちかぁ…」
そういえばこの前、彼は
『シロウト童貞』だって言っていたなぁ…
「佐々木部長は?」
杉山くんが訊き返してきた。
「え、あ、うん、わたしも同じよ…
彼氏いないし…
それに、もともと、この案件と例の新しい企画の立ち上げで予定は全く入れなかったのよ…」
と、やや慌て気味に応える。
「じゃあ、仕事の鬼って事で、俺と同じっすね」
そうにこやかに言ってきたのだ。
「えー、違うわよぉ、杉山くんと一緒にしないでよぉ」
わたしは慌てて否定する。
「わたしは杉山くんとは違って、敢えて予定を入れなかったんだからねぇ」
そうは言ったのだが、杉山くんは軽く聞き流し…
「でも、佐々木部長が彼氏いないなんて、もったいないっすねぇ」
と、言ってきた。
「あ、それ、セクハラ発言だからね」
わたしは本気ではなく、笑いながら言い返す。
「あ、いや、そういう意味では…
ただ、いい女がもったいないかなぁってぇ…」
「あら、嬉しい言葉ありがとう」
あ、そうか、この杉山くんのこの明るい雰囲気は…
越前屋さんに似ている感じなのか…
明るくて、いつもにこやかで、どことなく憎めないキャラ…
男女の違いなだけで越前屋さんに似ているんだわ…
と、わたしはそう思った。
そしてこれを見事に成功させれば、それは全てわたしと大原本部長の二人の実績向上の積み重ねになる訳であり、この先の更なるステップアップの礎になる事は必至なのであった。
「よし、じゃあ杉山くん行こうか」
「はい、お願いします」
杉山くんは明るく、ハキハキとした返事をしてくる。
そしてこの「新規業務案件」は、この先のわたしにとっての大切な礎的になる筈でもあるのだが、なによりこの杉山くんにとっての、また営業マンとしての、いや、サラリーマンとしての、大きなステップになる筈なのだから。
タクシーに乗り、赤坂のテレビ局へと向かう…
「そうだ、杉山くんは連休の予定は無いの?」
わたしはタクシーに乗るなりそう訊いた。
「え、あ、無いっす」
「ええ、何も無いの?」
そう訊き返す。
「あ、はい…
周りの友達はみんな彼女持ちなんで、こんな大型連休は誰も俺なんかとは遊んでくれないんです」
と、やや自虐的に言ってきたのである。
「そうかぁ、彼女持ちかぁ…」
そういえばこの前、彼は
『シロウト童貞』だって言っていたなぁ…
「佐々木部長は?」
杉山くんが訊き返してきた。
「え、あ、うん、わたしも同じよ…
彼氏いないし…
それに、もともと、この案件と例の新しい企画の立ち上げで予定は全く入れなかったのよ…」
と、やや慌て気味に応える。
「じゃあ、仕事の鬼って事で、俺と同じっすね」
そうにこやかに言ってきたのだ。
「えー、違うわよぉ、杉山くんと一緒にしないでよぉ」
わたしは慌てて否定する。
「わたしは杉山くんとは違って、敢えて予定を入れなかったんだからねぇ」
そうは言ったのだが、杉山くんは軽く聞き流し…
「でも、佐々木部長が彼氏いないなんて、もったいないっすねぇ」
と、言ってきた。
「あ、それ、セクハラ発言だからね」
わたしは本気ではなく、笑いながら言い返す。
「あ、いや、そういう意味では…
ただ、いい女がもったいないかなぁってぇ…」
「あら、嬉しい言葉ありがとう」
あ、そうか、この杉山くんのこの明るい雰囲気は…
越前屋さんに似ている感じなのか…
明るくて、いつもにこやかで、どことなく憎めないキャラ…
男女の違いなだけで越前屋さんに似ているんだわ…
と、わたしはそう思った。
