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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 1 8月12日午前11時…

「もしもしゆかりさん…わたしです、美冴です」
 わたしは佐々木ゆかり部長兼『新プロジェクト』室長に電話を掛けた。

 時刻はちょうど午前11時であった…


「え…、あっ、は、はい…」
 すると電話に出たゆかりさんは寝ていたのだろう、やや、反応が鈍い感じであったのだ。

 ヤバい、起こしちゃったか…

「あ、寝てましたか、ごめんなさい」
 わたしは慌ててそう言う。

 「あ、ううん、だ、大丈夫、ただ、昨夜ちょっと寝るのが遅かったの…」
 するとゆかりさんは急に、ハッとした感じでそう言ってきた。
 
 元々は、わたしが暇になったら…

 つまりは、今日の和哉とのお墓参り行脚から解散したら電話をする…
 と、いう約束をしていたのだが、ゆかりさんにしてみればそんなわたしからの電話は午後、もしくは夕方以降だと思っていたに違いないのだ。

 やはり、少し早過ぎたかなぁ…
 
 だが…

 実は…

 この時間にゆかりさんに電話をせずにはいられなかったのである…
 いや、理由があったのだ。

 いや…

 理由が起こったのであった。


 わたしは昨日の11日の朝から、この今わたしの傍らでレンタカーの運転を、いや、ドライバーをしてくれている駒澤大学大学4年生の、今から五年前に僅かな時間ではあったのだが、禁断の関係を結んでいた15歳も年下の『奥山和哉』と、奇跡的な再会を果たし、紆余曲折はあったのだが今日の朝イチからレンタカーを借りて、和哉の運転で元彼であり婚約者であった今は亡き
『沢村悠司(ゆうじ)』のお墓参りに茨城県の北部の街に来ていたのだ…が…

 色々な、そして様々な、お互いの想いと思い、昂ぶり等々の思惑が重なり合って、五年振りに一夜を共にし…

 改めてお互いの想い…

 思いを再確認と再認識をし…

 この今朝の現在時刻の午前11時の電話に至っていたのだ。


 なぜならば…




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