
シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング9 美冴とゆかり
5 魚市場
「じゃあ、魚市場に寄っていこう」
わたしがそう言うと、和哉は黙って頷き、クルマを魚市場へと向かわせる。
基本的にはこの魚市場は観光客向けである。
だから午前11時過ぎにも関わらず、人混みでごった返していた。
そしてそんな人混みの中で、買い物を始めていく。
冷凍のズワイガニ、エビ、イカ、タコ、ムール貝、アサリ、そしてマグロの中トロの柵、イクラ等々…
沢山買ってしまう。
気づくとついつい夢中になって買ってしまったのだ。
女のサガなのだろうか…
そして買い物を終え、無料の発泡スチロールのクーラーボックスに、氷と共にしまい込み、クルマに乗り込む。
「ふうぅ、つい、沢山買ってしまったわぁ」
わたしは何気なくそう呟く。
「女性二人じゃ、食べきれないですね」
和哉はそうハンドルを握りながら言ってきた。
「そうねぇ、つい、夢中になって買っちゃったわ…
女のサガ、習性なのかなぁ」
「そうなんですかねぇ」
すると和哉は笑いながらそう言ってくる。
「あっ、うん、でも…」
わたしは、そんな会話の流れに、つい油断してしまい…
『和哉も一緒に食べようか…』
と、そう言いそうになり、慌てて言葉を呑み込んだ。
危なかった…
つい、油断してしまった…
とても、こんな若い和哉をゆかりさんに会わせられない、いや、会わせる訳にはいかないのである。
この和哉の存在だけは…
この年齢差だけは…
ゆかりさんには、いや、他の誰にも…
話す訳には、知られる訳にはいかないのであった。
いや違うのだ…
話したくはないし、知られたくはなかったのである。
「ね、ねぇ、お腹空いたね…
ホテルで昨夜は海鮮系たっぷり食べたから、なんかお肉系が食べたいわね」
と、わたしは慌てて会話を変えた。
危なかった…
今日、すんなり和哉と別れる、いや、解散する為のゆかりさん宅への来宅作戦なのに…
あと少しで、身も蓋もなくなってしまうところであった。
「そうですね、あ、僕、ハンバーグが食べたいです」
「あら、いいわね、じゃあそうしましょうよ」
ハンバーグか…
なんかかわいいわ…
やっぱり和哉が大好きだ…
「じゃあ、魚市場に寄っていこう」
わたしがそう言うと、和哉は黙って頷き、クルマを魚市場へと向かわせる。
基本的にはこの魚市場は観光客向けである。
だから午前11時過ぎにも関わらず、人混みでごった返していた。
そしてそんな人混みの中で、買い物を始めていく。
冷凍のズワイガニ、エビ、イカ、タコ、ムール貝、アサリ、そしてマグロの中トロの柵、イクラ等々…
沢山買ってしまう。
気づくとついつい夢中になって買ってしまったのだ。
女のサガなのだろうか…
そして買い物を終え、無料の発泡スチロールのクーラーボックスに、氷と共にしまい込み、クルマに乗り込む。
「ふうぅ、つい、沢山買ってしまったわぁ」
わたしは何気なくそう呟く。
「女性二人じゃ、食べきれないですね」
和哉はそうハンドルを握りながら言ってきた。
「そうねぇ、つい、夢中になって買っちゃったわ…
女のサガ、習性なのかなぁ」
「そうなんですかねぇ」
すると和哉は笑いながらそう言ってくる。
「あっ、うん、でも…」
わたしは、そんな会話の流れに、つい油断してしまい…
『和哉も一緒に食べようか…』
と、そう言いそうになり、慌てて言葉を呑み込んだ。
危なかった…
つい、油断してしまった…
とても、こんな若い和哉をゆかりさんに会わせられない、いや、会わせる訳にはいかないのである。
この和哉の存在だけは…
この年齢差だけは…
ゆかりさんには、いや、他の誰にも…
話す訳には、知られる訳にはいかないのであった。
いや違うのだ…
話したくはないし、知られたくはなかったのである。
「ね、ねぇ、お腹空いたね…
ホテルで昨夜は海鮮系たっぷり食べたから、なんかお肉系が食べたいわね」
と、わたしは慌てて会話を変えた。
危なかった…
今日、すんなり和哉と別れる、いや、解散する為のゆかりさん宅への来宅作戦なのに…
あと少しで、身も蓋もなくなってしまうところであった。
「そうですね、あ、僕、ハンバーグが食べたいです」
「あら、いいわね、じゃあそうしましょうよ」
ハンバーグか…
なんかかわいいわ…
やっぱり和哉が大好きだ…
