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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 141 ときめく心

 しかし、もうわたしには美冴さんという、かけがえのない、そして愛しい存在が現れたのだ…
 もう、寂しくは無い。

 そして…

 また、再び、昨夜の二人の愛の痴態が浮かび上がってくる。

 深い快感も得た、いや、得られた…

 そう…

 男からの快感とはまるで違う…

 女同士の快感は…

 別次元の深い快感だった…


「ああ、マズい、マズいわ」
 再び心が迷宮に入ってしまうのを、わざとそんな声を出して、必死に自制し、踏みとどまる。

 とにかく、頭を切り替えなくては…

 わたしはそう考え、片付けを再開し、気が紛れる様にとテレビの電源を入れた。

 普段、テレビは殆ど見ない…

 久しぶりのテレビの画像と音声が脳裏に入り込んでくる。
 するとテレビは朝のワイドショーを、賑やかな喧騒と共に映し出してきた。

 あら…

 そしてふと、テレビに目を向けると、お盆休みの『夢の国』特集をやっている。

『夢の国』かぁ…

 確か、彼と付き合い始めに一泊で遊びに行ったっけ…
 それ以来だ、いや、それしか行った事が無い。

 なぜなら、わたしにはそんな一緒に『夢の国』に遊びに行く様な友達はいない、いや、いなかったから…

 だが…

 今は…

 今はいる…


 すると、テレビの画面いっぱいに
『夢の国』の象徴であるねずみの愛らしいキャラクターが踊り、夜のパレードをしながら、美しい花火が打ち上がるのが映ってきた。

 あ、そうだ…

 美冴さんと『夢の国』に行きたい、いや、行ってみたいなぁ…

 そんな漠然とした思いが湧いてきていたのだ。

 そうだ、今度からは行く相手が…

 友達がいる、いや、出来た…

 ワクワク…

 今度は心が、ときめきを感じてくる。


 だけど…

 焦るなゆかり…

 これからだ…

 これから美冴さんと…

 色々、出掛けられるんだからから…

 焦るな…

 だって…

 もう友達なんだから…

 友達になったんだから…

 それも…

 深い愛情の繋がった…

 親友を超えた…

 そして友達という枠をを超えた存在になったんだから…

 焦るな…

 ゆかり…






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