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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 140 宴の後…

 わたしは立ち上がり、とりあえず下着を穿いて部屋着であるTシャツを着る、そしてリビングルームへ入った。

 あ…

 そう、リビングルームは昨夜のままであったのだ。

 ふ…
 まるで、宴の後ね…

 テーブル上には昨夜の食事の跡が、お酒のグラスが残ったままであった。

 あ…

 そしてローソファーの上には、昨夜脱ぎ捨てた…
 ハーパンや下着、そしてバスタオルが無造作に脱ぎ捨てて置かれたままであったのである。
 
 あらら…
 わたしはそれ等を拾い上げる。
 すると、美冴さんの短パンがあった。

 あ、忘れていったのか…
 慌てていたからなぁ…
 そう思いながら手に取ると、その短パンはしっとりと湿っていて
 そして…
 甘い、あの美冴さんの代名詞のムスク系の甘い香りが漂ってきたのだ。

 ああ、美冴さん、みさえ…

 ドキドキ…
 その香りに、再び、心が高鳴ってくる。

 すると脳裏には…

 昨夜の痴態が…
 あの柔らかな感触が…
 甘い香りが…
 みさえの肌触りと体温と…

 そして…
 底無しの快感が…

 瞬く間に蘇ってきたのである。

『また今夜来てもいいかしら?…』

 また今夜来てくれるのだ…

 また愛し合えるんだ…

 ドキドキ…

 ウズウズ…

 そして…
 ワクワク感が心いっぱいに溢れてくる。
 

「はぁ、ふうぅ…」

 ダメよ…

 落ち着けゆかり…
 わたしは必死に昂ぶる想いを自制していく。
 時計を見ると、まだ、午前9時になったばかりである。
 
 まだまだ、夜は、夕方までは長い…

 落ち着けわたし…

 その為にもまずは、この後片付けをしよう…

 そして無造作に置かれた携帯電話を確認する。

 彼からの着信は無い…

 すると彼、大原浩一本部長の顔が、姿が、浮かんできた。

 彼も確か父親の法要がある…
 と、云っていた。
 今日は13日の入盆だ、忙しいのであろう。

 だが、もうわたしには美冴さんという、かけがえのない、そして愛しい存在が現れたのだ…
 もう、寂しくは無い。

 そして…

 また、再び、昨夜の二人の愛の痴態が浮かび上がってきた。

 深い快感も得た、いや、得られた…

 そう…

 男からの快感とはまるで違う…

 別次元の深い快感だった…



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