
シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
5 秘書
「あ、大原くん、いや、大原常務…
もう今日から、いや、今からさっそく常務室を使いたまえよ」
と、山崎専務が言ってきたのだ。
「え、あ、はい…」
「うん、もう真中前常務の私物は移動してあるから、大原くんの好きな様に、自由に使いなさい」
「あ、はい…」
本当に手回しが早く、全てが私の知らぬ間に…
先に、先へと進んでいた。
「あっ、そうだ、秘書の希望は結局無かったんだよな?」
「あ、はい、お任せしてますが…」
そう、以前に、総務から訊かれていたのだが…
秘書なんて実感は無いし、知り合いも候補ももちろんいないからお任せになっていた筈であった。
「うん、こっちで用意したから…」
「はい、ありがとうございます」
「じゃ、今日から頑張ってくれたまえ」
と、山崎専務は私の肩を叩き、本社に戻った。
この今朝の常務就任の為の臨時役員会の全ては…
山崎専務、いや、松本副社長の筋書き通りなのだ。
全てはシナリオ通りなのであった…
そして私は常務室に向かう。
いよいよだ…
いくら傀儡の常務であっても…
記念すべき、常務就任としての新しい第一歩なのだ。
私は心の昂ぶりを意識しながら常務室のドアを開ける…
ガチャ…
そして常務室の中に入った。
「大原常務、お疲れ様です」
すると女性の、いや、秘書の声がして、その声に振り向くと…
「あっ、えっ、な、なんだ?」
そこに女性が、いや、秘書が二人立っていたのだが…
「初めまして、秘書課課長の田中です」
と、挨拶をしてきて…
「そして本日より、彼女が常務室選任秘書となります…」
「松下律子と申します、よろしくお願いします」
「あ…う、うん…」
私は少しパニック気味に、混乱してしまう…
なぜならば…
そこには、銀座のクラブ『ヘーラー』のホステスの…
いや、つい三日程前に一緒に日光観光をした…
その律子が、澄ました顔で挨拶をしてきたからである…
ど、どういうことなんだ?…
なぜに律子がここにいるんだ?…
え?…
秘書ってなんなんだ…
訳が分からない…
いったい、どういうことなんだ?…
「あ、大原くん、いや、大原常務…
もう今日から、いや、今からさっそく常務室を使いたまえよ」
と、山崎専務が言ってきたのだ。
「え、あ、はい…」
「うん、もう真中前常務の私物は移動してあるから、大原くんの好きな様に、自由に使いなさい」
「あ、はい…」
本当に手回しが早く、全てが私の知らぬ間に…
先に、先へと進んでいた。
「あっ、そうだ、秘書の希望は結局無かったんだよな?」
「あ、はい、お任せしてますが…」
そう、以前に、総務から訊かれていたのだが…
秘書なんて実感は無いし、知り合いも候補ももちろんいないからお任せになっていた筈であった。
「うん、こっちで用意したから…」
「はい、ありがとうございます」
「じゃ、今日から頑張ってくれたまえ」
と、山崎専務は私の肩を叩き、本社に戻った。
この今朝の常務就任の為の臨時役員会の全ては…
山崎専務、いや、松本副社長の筋書き通りなのだ。
全てはシナリオ通りなのであった…
そして私は常務室に向かう。
いよいよだ…
いくら傀儡の常務であっても…
記念すべき、常務就任としての新しい第一歩なのだ。
私は心の昂ぶりを意識しながら常務室のドアを開ける…
ガチャ…
そして常務室の中に入った。
「大原常務、お疲れ様です」
すると女性の、いや、秘書の声がして、その声に振り向くと…
「あっ、えっ、な、なんだ?」
そこに女性が、いや、秘書が二人立っていたのだが…
「初めまして、秘書課課長の田中です」
と、挨拶をしてきて…
「そして本日より、彼女が常務室選任秘書となります…」
「松下律子と申します、よろしくお願いします」
「あ…う、うん…」
私は少しパニック気味に、混乱してしまう…
なぜならば…
そこには、銀座のクラブ『ヘーラー』のホステスの…
いや、つい三日程前に一緒に日光観光をした…
その律子が、澄ました顔で挨拶をしてきたからである…
ど、どういうことなんだ?…
なぜに律子がここにいるんだ?…
え?…
秘書ってなんなんだ…
訳が分からない…
いったい、どういうことなんだ?…
