
シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
4 常務就任
「………と、いうことで、この大原くんの常務就任に賛成の方は挙手を願います。」
山崎専務が臨時召集された役員達に促すと…
「賛成…」
一同、全員が挙手した。
「では全員一致で大原常務就任を決定します」
全員の拍手が鳴る。
「あ、ありがとうございます」
私は立ち上がり礼を述べた。
…と、ここまでは完全に出来レースのシナリオ通りである…
もう既に、前、真中常務の持ち株はどういうカラクリなのか、一度山崎専務を経由して、名目上、私の持ち株となっていた。
この件も、私の知らぬ間に淡々と陰で進んでいたのである…
そしてそれは、完全な傀儡役員人事ということであった。
しかも完全に本社の松本副社長派閥からの出向的な私の常務就任であり、この『○△生命保険株式会社』内に於いては、この松本副社長の傀儡としての私の実質の存在位置は…
現職の林田社長や、高田専務を差し置き、ナンバーワンのパワーバランスとなるのである。
そして、それはこの役員達全員に異議は無く…
完全に松本副社長の手の内に落ちてしまっているといえるのだ。
後は…
完全に傾き、経営破綻寸前のこの生命保険会社をどう私が再生していくか…
そして、この生命保険会社から派生する予定で準備している、画期的な新しいカタチの革新的な、ネット型生命保険を…
つまりは、佐々木ゆかりが準備室長となっている『新規プロジェクト』の成功如何に掛かっているのである。
成功して当たり前…
失敗したら、私のクビを飛ばせばいい…
そんな簡単な構図であり、カラクリの傀儡役員なのだ。
後は、私とゆかりとの秘かな下剋上的な躍進が、今後の私達の課題であり、目標となり…
ソレが更になるステップアップの礎となる事が…
明確な図式なのである。
「じゃ、大原くん、あ、いや、大原常務…」
と、山崎専務が声を掛けてきた。
「は、はい」
「もう今日から、いや、今からさっそく常務室を使いたまえよ」
「え、あ、はい…」
「うん、もう真中前常務の私物は移動してあるから、大原くんの好きな様に使いなさい」
「あ、はい…」
手回しが早く、全てが先に、先へと進んでいた。
「あっ、そうだ、秘書の希望は結局無いんだよな?」
「あ、はい、お任せしてますが…」
「うん、こっちで用意したから…」
「………と、いうことで、この大原くんの常務就任に賛成の方は挙手を願います。」
山崎専務が臨時召集された役員達に促すと…
「賛成…」
一同、全員が挙手した。
「では全員一致で大原常務就任を決定します」
全員の拍手が鳴る。
「あ、ありがとうございます」
私は立ち上がり礼を述べた。
…と、ここまでは完全に出来レースのシナリオ通りである…
もう既に、前、真中常務の持ち株はどういうカラクリなのか、一度山崎専務を経由して、名目上、私の持ち株となっていた。
この件も、私の知らぬ間に淡々と陰で進んでいたのである…
そしてそれは、完全な傀儡役員人事ということであった。
しかも完全に本社の松本副社長派閥からの出向的な私の常務就任であり、この『○△生命保険株式会社』内に於いては、この松本副社長の傀儡としての私の実質の存在位置は…
現職の林田社長や、高田専務を差し置き、ナンバーワンのパワーバランスとなるのである。
そして、それはこの役員達全員に異議は無く…
完全に松本副社長の手の内に落ちてしまっているといえるのだ。
後は…
完全に傾き、経営破綻寸前のこの生命保険会社をどう私が再生していくか…
そして、この生命保険会社から派生する予定で準備している、画期的な新しいカタチの革新的な、ネット型生命保険を…
つまりは、佐々木ゆかりが準備室長となっている『新規プロジェクト』の成功如何に掛かっているのである。
成功して当たり前…
失敗したら、私のクビを飛ばせばいい…
そんな簡単な構図であり、カラクリの傀儡役員なのだ。
後は、私とゆかりとの秘かな下剋上的な躍進が、今後の私達の課題であり、目標となり…
ソレが更になるステップアップの礎となる事が…
明確な図式なのである。
「じゃ、大原くん、あ、いや、大原常務…」
と、山崎専務が声を掛けてきた。
「は、はい」
「もう今日から、いや、今からさっそく常務室を使いたまえよ」
「え、あ、はい…」
「うん、もう真中前常務の私物は移動してあるから、大原くんの好きな様に使いなさい」
「あ、はい…」
手回しが早く、全てが先に、先へと進んでいた。
「あっ、そうだ、秘書の希望は結局無いんだよな?」
「あ、はい、お任せしてますが…」
「うん、こっちで用意したから…」
