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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 170 昂ぶる甘い香り(7)

「あ、そう、どうしますか?」
 時刻はまだ午前6時を少し過ぎた辺りであり…
 律子はおそらくまたもう少し寝るか?
 それとも起きちゃうのか?
 と、訊いてきたのだと思われる。

 私は今日は、新潟支社には午前9時くらいには顔を出して、もう一度少しだけ永岡支社長と話そうとは思っていたから…
「うん、もうこのまま起きちゃうかな」
 と、そう告げた。

「はい、わかりました、では、シャワーでも?」
 すると律子は私にシャワーを勧めながら、ゆっくりと上体を起こす。

「あん、ん、あ、アナタぁ…」
 そんな律子に私はサッと腕を伸ばし、引き寄せ、抱き締め、思わずキスをする。

 それは…
 少しだけベリーショートの髪型がハネ、着崩れした律子の浴衣姿の艶気が妙に私の心を震わせ、急に愛おしさが込み上げてきたから。

 律子が愛おしくて堪らなくてなってきていた…

「あん、も、もぉダメですよ…」
 すると律子はそう囁きながら、首を振り、私の唇から逃れてきた。

「え…」

「もぉ、またシたくなっちゃうからぁ」
 ズキンっ…
 そう言ってくる律子の艶気に心が震え、昂ぶってしまう。

「あ、ま、いいじゃないか」
 私は思わずそう言いながら、逃げる律子を後ろから抱き締め、うなじに唇を這わせていく。

「あ、あぁん、だめ、ダメですよぉ…
 今日一日ダメになっちゃうからぁ…」
 鼻腔に漂う律子のうなじからの甘い香りが、また再び私の心を昂ぶらせてきていた。

 そして…

「あっ」
 再び下半身の怒張が、熱い昂ぶりを疼かせてくるのを自覚する。

「もぉ、ダメですってばぁ…」
 そんな私の気配を感じた律子はそう言い放ち、一気に私の腕を振りほどき、ベッドから逃れ、立ち上がる。

「もぉ、アナタだって今日が辛くなっちゃいますからねっ」

「あ、うん、そうだな…」
 律子のその真剣な目に、ようやく昂ぶる心が落ち着いてきた。

「早くシャワーを浴びてらして」
 
「あ、うん…」

 まだ鼻腔の奥には心を震わせ、昂ぶらせてくる律子の甘い香りが漂っていた…

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