
シャイニーストッキング
第14章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一
189 在り様の大切さ
元々は、この新潟出張の目的は青山一也を本社に戻すという視察という裏の目的があった。
そしてその事に関しては永岡支社長には遠回しには伝えてはいたのだが、それ以外にも、いや、それプラス、これから永岡支社長が昨夜の夜のおみやげとして、つまりは大原常務に献上したはずの秘書である竹下雪恵さんを急遽、本社の『新プロジェクト』メンバーとして異動させる決定の旨を彼、大原常務から告げられた時の…
その永岡支社長の慌てぶりと動揺の様子が、わたしにも目に浮かんでくる。
いや、中途半端ではなくハッキリと永岡支社長に引導を渡さなければ…
いいや、真中前常務の元派閥のメンバーは一掃しなくては、今後の彼、新大原常務の足元がいつすくわれてしまうかわからない。
可能性は限りなく少ないが、万全の対策は取るべきであるのだ…
そしてそれが沈みゆく、いや、既に沈んでしまった泥船に乗った者の宿命なのだと思う。
「そうですよ、それにここでの大原常務の動きが…
ううん、最初が肝心ですから…」
そうなのだ…
おそらくは、この新潟支社長の、つまりは元真中前常務派閥メンバーの一人であだたこの永岡支社長に対する大原常務の動きは、瞬く間に各地に点在している残党のメンバーには必ず知れ渡る筈なのである。
だからこそ、凛とした対策、処分が重要であり…
大原常務は正義の改革を推し進めているという事を全支社に知らしめる意味もあるのだ。
そしてまたこれからは、これによる新たな動きをも敏感に察知をしなくてはならない…
その為の今日の新大原常務としての在り様が重要かつ大切なのである。
「うん…
そうだな、うんわかっているさ」
大原常務はそう頷き、キッと前を見つめる。
そしてタクシーは新潟支社に到着した…
元々は、この新潟出張の目的は青山一也を本社に戻すという視察という裏の目的があった。
そしてその事に関しては永岡支社長には遠回しには伝えてはいたのだが、それ以外にも、いや、それプラス、これから永岡支社長が昨夜の夜のおみやげとして、つまりは大原常務に献上したはずの秘書である竹下雪恵さんを急遽、本社の『新プロジェクト』メンバーとして異動させる決定の旨を彼、大原常務から告げられた時の…
その永岡支社長の慌てぶりと動揺の様子が、わたしにも目に浮かんでくる。
いや、中途半端ではなくハッキリと永岡支社長に引導を渡さなければ…
いいや、真中前常務の元派閥のメンバーは一掃しなくては、今後の彼、新大原常務の足元がいつすくわれてしまうかわからない。
可能性は限りなく少ないが、万全の対策は取るべきであるのだ…
そしてそれが沈みゆく、いや、既に沈んでしまった泥船に乗った者の宿命なのだと思う。
「そうですよ、それにここでの大原常務の動きが…
ううん、最初が肝心ですから…」
そうなのだ…
おそらくは、この新潟支社長の、つまりは元真中前常務派閥メンバーの一人であだたこの永岡支社長に対する大原常務の動きは、瞬く間に各地に点在している残党のメンバーには必ず知れ渡る筈なのである。
だからこそ、凛とした対策、処分が重要であり…
大原常務は正義の改革を推し進めているという事を全支社に知らしめる意味もあるのだ。
そしてまたこれからは、これによる新たな動きをも敏感に察知をしなくてはならない…
その為の今日の新大原常務としての在り様が重要かつ大切なのである。
「うん…
そうだな、うんわかっているさ」
大原常務はそう頷き、キッと前を見つめる。
そしてタクシーは新潟支社に到着した…
