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シャイニーストッキング

第15章 もつれるストッキング4    律子とゆかり

 31 家呑み女子会

 そんな感じの越前屋さんのショートコントみたいな会話があった後に伊藤さんは近所のスーパーに買い出しに行って様々な食材を買って来た後…
 見事な腕前で料理を数品作ってくれた。

「じゃぁカンパーイ」
 そして女三人での家呑み女子会が始まったのだ。

「でもぉ、凄いわね、パパっとこんなに作っちゃうなんてぇ」
 わたしは感動の声を漏らす。

 サラダ…
 トマトのカプレーゼ…
 ローストビーフ…
 シュリンプカクテル…
 サーモンマリネ…
 バジルのピザ…
 ペンネパスタのミートソース…

「えー、そんな大した事ないですよぉ、カプレーゼはトマトとモツァレラチーズを和えただけだし、ローストビーフだってサッと焼いただけだし、ピザなんかは冷凍のヤツに生バジルを乗せただけですし、パスタもレトルトソースをかけただけですかあらぁ…」
 と、伊藤さんは笑いながら答えてくるのだが…
「え、いや、そもそもが簡単とはいえ、このメニューを思いつかないし」
 わたしはそう自虐する。

 そう、わたしは料理は全く作れないのだ…
 乾麺のおそうめんさえ茹で方から知らなかったくらいなのであるから、この目の前の、この品数の、この料理を僅かな時間でサクッとパパっと作れる事自体がわたしからしたら神ワザに近い事であるのだ。

「ホントぉですよぉ、もおあっちんは凄いんだからぁ」
 すると越前屋さんもそう感嘆してくる。

「もぉわたしにもぉ、ぜったい無理ですぅ」
 そう続けてきた。

 どうやら越前屋さんも料理は苦手らしい…

「ま、えつは飲み専だもんねぇ」
 すると伊藤さんが笑いながらそう言ってくる。

「えーっ、わたしだってぇ少しは作れるもん」
 
「ええ、じゃぁえつは何が作れるのかなぁ?」
 そう伊藤さんはからかい気味にツッコんでくる。



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