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　7　流れ…

　すると、その五人が…
　佐々木ゆかりさんという存在を中心に、線で結ばれているということに気付いたのだ。
　皆、ゆかりさんを中心に、線で結ばれ、広がっている。

　果たしてその線は…
　嫉妬か、憧れか、因果なのか？

　武石健太…
　真偽の事実は確認はしてはいないのだが、おそらく、ゆかりさん曰くの…
　大学時代から追っかけられている存在というのは健太だと思われる、いや、わたしの前に初めて現れた流れからして間違いなさそう。
　だけど、今は、わたしには欠かせない大切で愛しい存在である。


　大原常務…
　わたしにとっては、本部長であり、常務であるのだが…
　それより以前に、わたしという自我の覚醒を導いてくれた、大原浩一という一人の男。
　ただ、初めから、ゆかりさんのオトコとして認知していた存在。

　松下秘書…
　今日、初めて見て、知った、妖しく、妖艶で、魅惑的な魅力を感じざるを得ずにはいられない存在感の秘書、いや、不惑のオンナ。
　そして、間違いなく...大原常務を、ゆかりさんから奪ったであろう存在。

　伊藤敦子…
　彼女は、間違いなくゆかりさんの心と、オンナという禁断の想いを虜にした、魅惑な存在。
　そして、その容姿、雰囲気、存在感は、先の松下秘書を連想させてくるほどの妖艶さがある。

　この四人が、佐々木ゆかりという存在を中心に線で結ばれ、わたしの目の前に広がっているのだ…

　それはやはり…
　嫉妬であり、憧れであり、因果といえる。

　そして、なにより、この佐々木ゆかりという存在、いや、存在感は、わたしにとっても…

　ううん、やはり…

　わたしはゆかりさんに嫉妬している、という想いを改めて自覚した。

　だって…
　武石健太も大原浩一も、わたしには大切で、ある意味、愛しい存在…
　だがこの二人は、ゆかりさんという存在に対して憧れの想いて因果という流れで繋がっている、いや、結ばれている。

　あの松下秘書は…
　その大原浩一とゆかりさんとの間に割け入り、嫉妬と因果を結び、不惑を生んでいる。

　そして伊藤敦子は…
　その禁断の妖艶な関係を新たに結び、ゆかりさんの心の不惑を中和する存在。

　これらの、ゆかりさんを中心に結ばれている流れは…
　全て、わたしにとっての…

　嫉妬、憧憬、因果…という流れに繋がってくるのだ…