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シャイニーストッキング

第16章 もつれるストッキング5  美冴

 28 もう、抗えない…

「ねぇ…抱いてよ………」

 美冴は、そう小さく囁き…
 そして、カウンターの下から私の右手を握り、美冴自らの手で絡めている黒ストッキングの膝辺りへと導いてくる。

「ぁ…み、みさ…え……」

 私はこのストッキング脚に触れた瞬間に、いや、このストッキングの感触に…
 さっきの入江人事部長との会話によって昂ぶりを覚えていたストッキングフェチ心という熱が、一気に再燃してしまう。

 そして…
 間違いなく再発してしまった、いや、私が原因で再燃させてしまったであろう、美冴のあの『自律神経』の暴走という妖しい衝動が、呼吸の僅かな変化と、艶やかに濡れた目の色に浮かび上がってきていた。

 私はジィッと、その美冴の心の揺らぎの底を覗くように見つめ…
 豹変と云えるほどのその衝動の蠢きを確信する。

「そうか…うん…そうだな………」
 そう頷き、呟き、その触れている指先からも、美冴の昂ぶりの再燃を認識した。
 
 そして私自身も、この美冴の吸い付くような妖しい魅惑の黒ストッキングの感触に魅了され…
 その指先をスカートの中へと這わせ、撫でていく。

 そう、この美冴のストッキングはまるで…
 私の心を誘うかのように熱を帯び、しっとりと指先に纒わり、そのナイロン繊維がまるで素肌のように吸いつき…
 いや、心までをも吸い取ってくるかのような魅惑さがあるのだ。
 
 これはゆかりとも、律子とも違う、美冴特有の妖しい魅惑…
 それが、私の心を魅了して止まない。

 その想いが激しく心を揺さぶってくる…
『この美冴を抱きたい…』
『このストッキングを愛でたい』
 と…
 美冴のこの自律神経の妖しい昂ぶりに濡れた目が、そう、私の心を誘なってくる。

 一瞬…
 ゆかりの憂いの眼差しが…
 さっきの常務室での律子の淫らな恥態が脳裏に過ったのだが…
 この美冴の妖しい魅惑の黒ストッキングに触れ、魅了されてしまった今となっては…

「ふぅ……」

 もう…抗えない……

「そうだよな…こうなったらさ………だよな…」

 
 すると不意に…
『そんな時は、とことんヤるしかないんだよ』

 この美冴の目の妖しい目の艶が…
 あの次の朝に云ったコトバを蘇らせてきた。



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